「英語の読み書きは大丈夫だけど、リスニングは全くだめ」という人は多いのではないでしょうか。
実は私も過去英語のリスニングが全くできず、TOEICで190点しか取れませんでした。
海外旅行に言っても店員さんが何を言っているのか全く理解出来ませんでした。
しかし今では、TOEICで470点を取れるまでにリスニングが上達し、ネイティブと電話や会議でコミュニケーションが取れるまでになりました。
リスニングが全く出来ないと諦めかけているみなさんに、今回はリスニング上達のための勉強法をご紹介します。
目次
リスニングが苦手な理由
私は長い間リスニングが出来ず、周りの人よりも努力して勉強しても全く向上しませんでした。
本当に「自分は耳に欠陥があるのでは?」と疑っていました。
しかし日本語は正常に聴くことが出来るので、やはりリスニングが出来ないのにはなんらかの理由がありました。
リスニングが出来ない理由は大きく分けて下記2点があります。
- 英語の音が聞き取れていない
- 聞き取った英語の意味が理解出来ていない
一つずつ順を追ってご説明します。
英語の音が聞き取れていない
当たり前ですが、英語って日本語と全く発音が違いますよね。
日本語にはない音がいっぱいあるので、聞き取ることが難しいのです。
文章で読むと「なんだ、そう言っていたのか」と理解できるのですが、音で聞くと途端に理解出来なくなるのは、不思議ですよね。
それは英語には、リンキング(リエゾン)やリダクション、フラッピングといった独特の発音のルールがあります。
これが英語の聞き取りを難しくさせているのです。
リンキング(リエゾン)とは
リンキングとはその名のとおり、音と音が繋がることです。
例えば、下記のとおりです。
- "Hold on" → "Holdon"「ホードン」
- "Take it" → "Takit"「テイキッ」
- "Can I ~" → "Canai"「キャナイ」
音と音が繋がってしまうため、全く違う単語に聞こえてしまいます。
それぞれの単語は知っているのに、全く知らない単語に聞こえるため、英語が聞き取れなくなるのです。
リダクションとは
リダクション(reduction)とは日本語で「削減、縮小」といった意味があります。
音声学上では、「音が発音されないこと」を言います。
具体的にいうと、下記のような例があります。
- "tell him" → "tellim"「テリム」 hが発音されない(リンキングも同時に発生)
- "Good bye" → "Goo bye"「グッバイ」 dが発音されない
dやhなど弱い音が発音されなくなるため、これも違う単語に聞こえてしまいます。
フラッピングとは
フラッピング(flapping)とは、日本語で「ぱたぱたとはたく」といった意味です。
英語においてフラッピングとは語中にある"t"の音が[r] や [d] のように発音されることを指します。
例としては下記のような単語で発生します。
- "water" → 「ワーラー」
- "better" → 「ベラー」
こちらはアメリカ英語のみで発生する現象で、イギリス英語ではフラッピングは発生しません。
このような英語独特の発音の変化があるために知っている単語であっても全く聞き取れない現象が発生してしまうのです。
聞き取った英語の意味が理解出来ていない
二つ目のリスニングが出来ない理由は、音が聞き取れてもその意味が理解出来ないことです。
どういうことでしょうか?
例えば"apple"や"tree"と聞くと赤いリンゴや茶色い木が頭の中でイメージされるかと思います。
しかしこれが"compensate"や"interrupt"と聞くとどうでしょうか。
おそらく直ぐには頭にイメージがわかず、意味を思い出すのに時間がかかってしまうでしょう。
また、"We told him to ask her if she would come."と文章で読むと理解するのに全く問題はなくても、
音で聞いた場合はどうでしょうか。
早口で話されると理解が追いつかないかもしれません。
こうした現象は日本語の場でもたまにありませんか?
専門用語が飛び交う話題や難しいニュースなど、あるいは大学での講義など。
日本語を話しているということは分かるのだけれど、相手が何を言っているのか全く理解できない。
英語のリスニングが苦手な人も同様のことが起きているのです。
リスニング上達法
英語のリスニングが出来ない理由をご説明しましたが、これらを克服すればリスニングができるようになるのです。
それではリスニングの上達を阻害している下記二つの克服方法をご説明いたします。
- 英語の音が聞き取れていない
- 聞き取った英語の意味が理解出来ていない
英語の音を聞き取るためには「シャドーイング」が有効
英語の発音には独特の法則があるとご説明しました。
リンキング、リダクション、フラッピングですね。
実はこれらはパターンが決まっています。
そのためそれらのパターンを覚えれば簡単に慣れることができるため、リスニングがみるみる上達します。
パターンを覚えるためにとっておきの参考書があります。
「瞬時にわかる英語リスニング大特訓」という本です。
こちらの本では、リンキング、リダクション、フラッピングなど特に聞き取りづらい文章が大量に掲載されています。
これらをシャドーイングしていきます。
シャドーイングとは、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけて発音することです。
シャドーイングすることによって「発音」、「英語のリズム」、「音の強弱」、「イントネーション」が向上します。
リンキング、リダクション、フラッピングなどを含む文章をシャドーイングすることで、英語独特の発音を身につけることが出来ます。
英語は早いから聞き取れないのではなく、ただ単に聞き慣れないから聞き取れないだけです。
英語独特の発音を理解すれば、リスニングスキルが一気に上達します。
聞き取った英語の意味を理解するためには「音読」が有効
上記のトレーニングを行うことで、英語の音に慣れることができるため、「聞き取り」は出来るようになると思います。
しかしそれだけでは不十分で、せっかく聞き取れているのに意味が理解出来ないままです。
これを克服するには音読が一番です。
声を出さずに英語を黙読していると、接続詞や関係代名詞などで読み返しをしがちです。
日本語の文章を読むときに、読み返したりはしませんよね。
もちろん、英語のネイティブスピーカーも読み返しなんてしません。
音読すると、必然的に前から後ろへ順に読んでいくことになります。
音読のトレーニングを繰り返すことによって、英語を前から順に理解することが出来るようため、英語をリスニングするときも聞いた順番に意味を理解できるようになるのです。
音読のポイント
音読をする上でのポイントは下記3点です。
- 意味を理解(イメージ)しながら音読する
- できるだけ早く音読する
- できる限り正しく発音する
1.「意味を理解(イメージ)しながら音読する」
当然ですが、ただ文章を読んでいるだけでは何の意味もありません。
英語を読みながら、且つ意味を捉えることで、英語を前から順に理解する能力が向上します。
2.「できるだけ早く音読する」」
音読で意味を理解できるスピードがリスニングでも意味を理解できるスピードです。
音読以上のスピードで、(意味理解を伴った)リスニングは出来ません。
そのため音読のトレーニングでもなるべく早く音読して英語を瞬時に理解できるようにしなければいけません。
また、できるだけ早く音読しようとすると、頭の中でいちいち翻訳しては一向に早く読めません。
自然と頭の中で意味を「イメージ」するようになり、英語を英語のまま理解できるようになってきます。
3.「できる限り正しく発音する」
声を出しながら読むので、自分の声を聞くことができます。
そこから聞こえてくる英語の発音が著しく誤っているものであれば、正しい英語を聞いたときに意味がすんなり入ってきません。
シャドーイングによってある程度発音は向上しますが、音読でもネイティブの真似をしてなるべく正しい発音を心がけるようにしましょう。
まとめ
リスニングが出来ない人からすると、英語を聞き取れる人が信じられません。
しかしリスニングが出来ない理由を紐解いていくと、以外とシンプルな対策で解決できます。
「シャドーイング」と「音読」ですね。
リスニングができるようになると洋楽や洋画などで聞き取れる部分が増えて、ますます英語の勉強が楽しくなります。
リスニングが苦手な方は今回ご紹介した方法をぜひ試してみて下さい。