現代文の大学受験勉強法。独学で偏差値40→70まで上げる勉強方法とは

現代文の勉強に悩まれる受験生は多いのではないでしょうか。

実際何から手をつけたらいいのか、あるいはそもそも勉強できるものなのか疑問に思いますよね。

ですが、現代文の勉強法は方法論が確立しており、勉強のやり方さえ間違っていなければ確実に偏差値を上げることが出来ます。

この記事では、偏差値を確実に上げる現代文の勉強法についてご説明いたします。

現代文はセンスじゃない

現代文はよく「センス」や「フィーリング」が大事と言われます。

決してそんなことはありません。現代文は極めてロジカルに答えを導き出せる科目です。

 

現代文という科目について

そもそも現代文という科目をよく理解していない受験生が多すぎると思います。

文部科学省が公表している「高等学校学習指導要領解説」を通して現代文という科目を明確に定義付けすることが出来ます。現代文という科目の狙いを下記のように定義しています。

この科目では,近代以降の様々な文章を的確に理解し,適切に表現する能力を高めること・・・をねらいとしている。そのため,教材は,論理的な文章や文学的な文章に加え,現代の社会生活で必要となる実用的な文章も取り上げ,文章などを読んで考え,評価,批評し,自分の考えを効果的に表現する指導,つまり情報を使いこなす指導を,話すこと・聞くこと,書くこと,読むことの言語活動を通して行うことを重視している。

高等学校学習指導要領解説

現代文という教科の目的は、「文章を的確に理解する且つ適切に表現する能力を高める」ことです。

更に「指導事項」の欄に下記のとおり、現代文で求められる能力を詳しく噛み砕いています。

文章を読んで,構成,展開,要旨などを的確にとらえ,その論理性を評価すること。文章を読む際には,内容を読み取るだけではなく,書き手が,表現したいことをどのように構成し展開しているかという,構成や展開の仕方を把握することが重要である。
「構成,展開」を的確にとらえるとは,その文章はどのような題材に関して述べ,材料としてどのようなものを選び,それをどのように組み立て,どのような筋道で考えなどを述べているのかを間違いなく把握することである。・・・また,小説においても同様に,書き出しから結びに至る文章の骨組みをとらえ,その上で,場面や人物などの設定が,その後の話の推移にどのように有機的にはたらいているかを把握する。
さらに,
書き手による構成や展開の仕方をたどりながら,その文章の「要旨など」,すなわち書き手や文章中の人物のものの見方,感じ方,考え方など,書き表そうとした中心的な内容を間違いなく把握することが大切である。・・・

高等学校学習指導要領解説

以上より、現代文に求められる能力を具体的に言うと、下記のとおり言い表すことが出来ます。

文章を論理的に捉え、筆者の伝えたいことを的確に把握する」

評論文では筆者が伝えたいことが論理的に書かれています。論理とは「考えの筋道の通し方」を言います。筆者の論理を慎重に辿っていくと必然的に「伝えたかったこと」に導かれるのです。

 

現代文に必要なスキル

以上の現代文に求められる能力から、具体的に受験生は何をどのように勉強すれば良いのでしょうか。

以下三つのスキルに大別することができます。

  1. 語彙力
  2. 読解力
  3. 解答力

 

語彙力

「現代文に語彙力が必要なの!?」と思われる方もいるかもしれませんが、語彙力は現代文において非常に重要な要素です。

現代文で語られる言葉は、日常会話で使われる言葉とは少し違っています。

例えば、「虚構」「本質」「神話」「アイデンティティー」など。なんとなく聞いたことがあるけど意味を説明しろ、と言われたら口ごもってしまいませんか。

言葉の正しい意味を理解していないと、その言葉で構成される文章を正しく把握することなんて出来ません。当然筆者の伝えたいことを的確に捉えることも不可能です。

英語と全く同じ理屈です。

 

読解力

読解力とは、文章を論理的に読み解く力です。

評論文は、筆者の伝えたい要旨を「具体例」や「説明」「補足」「反証」などが骨組みとなって支えています。こうした文章の構造を的確に読み取ることが評論文を読み解く上で非常に重要です。

例えば、「第一段落では問題が提起されたな」「第二段落ではその問題に対する筆者の考えが提示されたな」「最後の段落では筆者の考えを強めるために具体例が提示されているな」

というように文章を追いながら、「筆者の主張は何か?」「その主張を裏付けるために各段落がどのような働きをしているか」を読み取るのです。

このように文章の構造を見抜けると、現代文の力が一気に伸びます。

 

解答力

正しく文章を読み解くだけが現代文のゴールではありません。

「自分が正しく文章を読み解いている」ことを解答を通じて証明しなければなりません。

そのため、記述においては自分の考えを正しく伝える、選択式の問題については誤った選択肢を選ばないスキルが必要です。

 

現代文の勉強法

入試現代文を解く上で必要な三つのスキルを確実に伸ばす勉強法を紹介します。

語彙力→読解力→解答力の順番に勉強していくのではなく、ある程度の語彙力を身につけた後は、読解力と解答力を並行して高めて行きます。

 

語彙力を上げる勉強方法

まずは語彙力を高める方法です。

入試現代文に頻出する単語・用語をまとめた参考書がありますのでそちらを1冊済ませれば基礎は十分です。

後は実際の評論文を解いていく過程で自然と身についてきますので、最初に一気に基礎を身につけるのが効果的です。

語彙力を鍛えるための定番参考書は「ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20」です。

入試に頻出のキーワードを非常にわかりやすく説明してくれますので、初めて現代文を勉強する受験生も簡単にステップアップできます。

まずはこれを1〜1.5ヶ月でマスターしましょう。

 

読解力を上げる勉強方法

基礎的な語彙力を身につけた後は、本格的に読解力の向上に取り組みます。

読解力はこれまでの人生における読書経験で大きく差が出ます。

「センス」や「フィーリング」と言ってのける人は、ある程度の読書経験があるため知らず知らず読解力が身についていると考えられます。

ただ、これまで一切読書をしたことがないという受験生も心配することはありません。

参考書を使って効率的に勉強すれば確実に読解力は身につけることが出来ます。

読書経験で差が出るため、読解力強化の勉強法は偏差値別にご紹介します。

 

偏差値55以下

「これまで全く読書したことがない」「現代文が大の苦手」という方には「田村のやさしく語る現代文」をおすすめします。

「現代文とは何か?」「どのように読んでいけば良いか?」がこれでもかというくらい詳しく、やさしく説明されています。

本も薄くとっつきやすいため非常におすすめです。

田村のやさしく語る現代文―代々木ゼミ方式

「田村のやさしく語る現代文」が終われば、「入試現代文へのアクセス 基本編」を解いていきましょう。

こちらは簡単な演習問題をとおして、読解力を強化していきます。

「田村のやさしく語る現代文」と比べると解説が簡潔に感じるかもしれませんが、ここまでくるとある程度読解力が身についているので問題ありません。

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偏差値55以上〜偏差値60未満

ある程度の読書経験がある方、もしくは上記の参考書を解き終えた方は、入試問題の解説を通して読解力を向上させるスタイルの参考書がおすすめです。

良質な問題を丁寧に解説している参考書が「入試現代文へのアクセス 発展編」です。

構成は「入試現代文へのアクセス 入門編」と同じで掲載されている評論文が骨のあるものになっています。

この参考書を終える頃には、センター試験を8割程度安定して取れるようになっているでしょう。

入試現代文へのアクセス 発展編 (河合塾シリーズ)

 

偏差値60以上

「現代文が得意」「現代文を得意科目にしたい」という方は、こちらでご紹介する参考書に取り組みましょう。

Z会の「入門編 現代文のトレーニング」は、

「段落の問題」(構成)、「指示語の問題」「空欄補入の問題」(文脈をとらえる)、「傍線部説明問題」(意味をとらえる)、「内容判定問題」「要約の問題」(要旨・主題をとらえる)、「総合問題」

と問題ごとに章が分かれており、苦手克服に最適です。

入門編と銘打っていますが、かなり難しいです。

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読解力の最終仕上げと言っていいのが「現代文と格闘する」です。

本の分厚さとタイトルに圧倒されること間違いなしです。この本を解ききった後の自身は計り知れないものがあります。

小手先のテクニック不要で正攻法で現代文を読み解いていくスタイルで、どんな問題にも対応できる力を身につけることができます。

記述式の問題も多いため、難関国立大学を志望する受験生にとって必須の参考書でしょう。

現代文と格闘する (河合塾シリーズ)

 

解答力を上げる勉強方法

実は、ここまでご紹介した参考書をやっていけば実は解答力も自然と身につきます。

「解答力」だけを重点的に鍛える勉強法は、ずばり過去問を解くことです。

志望校の過去問や予想問題を解き、「解説を読む」「解答を添削してもう」ことで志望校の傾向にあった「解答力」を身につけることができます。

そういった意味では、記述式の問題は添削がマストです。自己採点では客観的に自分の答案を評価することが出来ないため、解答力を向上させることは難しいです。

信頼出来る高校の先生や予備校講師に頼んで答案を添削してもらいましょう。

そうした人に頼れない受験生はZ会がおすすめです。長年の受験の実績があるため、添削の質はぴかいちです。

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偏差値40からZ会だけで旧帝大に合格!大学受験でZ会をおすすめする理由

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まとめ:大学受験の現代文は正しく勉強すれば確実に伸びる!

「現代文はセンス」とよく言われますが、全くそんなことはありません。正しく順序良く勉強すれば必ず偏差値が上がる科目です。

ここで紹介した方法でしっかり勉強すれば皆さんの合格も近づくはずです。

ぜひ試してみてください。

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