韓国がホワイト国から除外されるとどうなる?影響はほとんどなし!

7月1日日本政府より、3品目についてこれまで包括で輸出を許可されていたものが、契約ごとに個別に許可が必要となりました。

また第2段として韓国を「ホワイト国」から除外することを検討しているという発表もなされております。

 

この件に関してメディアやネットで様々な議論がありますが、ほとんどの方が正しく理解されていないため、実際に長年メーカーで安全保障貿易管理を担当した筆者がご説明いたします。

ホワイト国とは?

ホワイト国とは、輸出貿易管理体制が徹底されており、我が国の安全等を脅かすおそれのある国家やテロリスト等、懸念活動を行うおそれのある者に、武器に転用可能な貨物が渡ることがないと判断した国を言います。

大量破壊兵器等に関する条約に加盟し、輸出管理レジームに全て参加し、キャッチオール制度を導入している国については、これらの国から大量破壊兵器の拡散が行われるおそれがないことが明白であり、俗称でホワイト国と呼んでいます。

経済産業省HPより

法令では輸出貿易管理令の別表第3に掲げる地域のことを言います。

「ホワイト国」は俗称で、端的に言うと輸出管理が徹底されている国を言います。

ホワイト国から除外されるとどうなる?

キャッチオール規制の対象となる、それだけです。

 

キャッチオール規制とは?

日本の安全保障貿易体制は「リスト規制」と「キャッチオール規制」の2本立てです。

「リスト規制」ではその名のとおり、輸出する際は経済産業省大臣の許可が必要な品目がリストされています。

このリストには、ミサイルや銃など兵器そのものや、兵器に転用しうる民生用品が該当します。

今回の対象となった「フッ化ポリイミド」「レジスト」「フッ化水素」の3品目も軍事転用可能としてこのリスト規制品目に該当します。

 

このリスト規制に該当する品目は、通常契約ごとに経済産業省大臣の輸出許可が必要です。

しかし韓国は優遇され、リスト規制該当品であっても、3年間の出荷を包括的に許可する制度を使用することが出来ました。

今回は、3品目だけがこの優遇処置を使用することが出来なくなったのです。

他のリスト規制該当品については従来どおり、包括許可制度を使用することが可能です。

 

「キャッチオール規制」はリスト規制で拾いきれないものを補完する制度です。

リスト規制に該当しないからといって、軍事転用されない、という訳ではありません。

兵器に転用可能なものを特定しそれをリストするだけでは不十分との認識からこのキャッチオール規制が生まれました。

明らかに兵器に転用できない食料や木材を除く全ての物品が対象となります。

輸出する貨物が兵器の開発に用いられる、あるいは兵器の開発をしている組織に行き渡るおそれがある場合に該当します。

このキャッチオール規制に該当する場合は経済産業省大臣の許可が必要になります。

2002年4月から施行されている大量破壊兵器等の開発等(核兵器、生物・化学兵器、ミサイル、無人航空機等の開発・製造・使用または貯蔵)に用いられるおそれのある場や、2008年11月に導入された通常兵器の開発・製造または使用に用いられるおそれのある場合には、貨物の輸出や技術の提供に際して経済産業大臣の許可が必要となります。

JETRO_HPより

 

まとめると、リスト規制は輸出する貨物のスペック、性能に着目したもの、キャッチオール規制は需要者や用途に着目したものとなります。

 

キャッチオール規制の対象になるとどうなるか?

キャッチオール規制の対象になるからといって、実際はほとんど問題ありません。

キャッチオール規制の対象となる品目はほぼ貨物ですが、「客観要件」と「インフォーム要件」を満たさなければ、該当しません。

 

「客観要件」は用途要件と需要者要件に分かれています。

用途要件は、輸出した貨物が大量破壊兵器等の開発等に用いられないかをチェックします。

需要者要件は、貨物の輸入者が大量破壊兵器等の開発などをしていないかをチェックします。

 

「インフォーム要件」は、大量破壊兵器の開発に用いられる可能性がある、として事前に許可申請を経済産業省が要請していないかををチェックします。

 

これら「客観要件」と「インフォーム要件」に該当しなければ、経済産業省の許可を得る必要はないのです。

そしてこのチェックは輸出者が自己の責任で行います。

税関や経済産業省に申請をする必要は何もないのです。

 

なので「ホワイト国」から除外され「キャッチオール規制」の対象になったとしてもほとんど影響はないのです。

サムスンやLG、現代はほとんどこれらの要件に該当しないでしょう。 

 

まとめ

マスコミでは規制強化や厳格化などと騒がれていますが、実際には優遇していたことを元に戻すだけです。

極右的なメディアでは、「ホワイト国」から外れるとまるで韓国が窮地に陥るなどといった論調もあります。

これらは全て誤りです。

 

一部の偏った考えやマスコミの扇動的な世論形成に流されず、正しい知識を身につけ、正しく事実を認識したいものです。

この記事がその一助となれば幸いです。

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